播磨の小京都 たつの
今年は辰年。龍（辰）に関わるスポットがにわかに注目を浴びています。
たつの市もその一つです。龍は、古来より縁起のよい生き物とされているため、開運を願っての旅と考える人もいるでしょう。
たつの市は兵庫県の西南部に位置しており、南北に長い地形になっています。
市の北側は山地が広がり、南は瀬戸内海に面し、南北に揖保川が流れています。
龍野藩の城下町であったため、武家屋敷や白壁の土蔵が今も残っており、「播磨の小京都」と呼ばれています。
隣には、世界遺産の姫路城や大型レジャー施設の姫路セントラルパークなどがある姫路市があり、観光となるとまずそちらに注目となりそうですが、穴場で人混みを避けたいというのであれば、たつの市はおすすめです。
歴史や文化に興味があるなら、姫路に劣らない観光スポットがたくさんあり、落ち着けるおとな旅となるでしょう。
龍野城跡
桜の名所。本丸御殿の中は日本文化を感じる調度品の数々。
龍野城は、鶏籠山（けいろうさん）を背後に控え、三方に石垣を巡らす城です。
鶏籠山の山頂にあった朝霧（あさぎり）城を、1596（慶長元）年に城主（代官）となった石川光元が現在の位置に移しました。その後、城主が次々に交代したため城の整備も進みませんでしたが、1672（寛文12）年に脇坂安政が入封し、翌年に新しい城を完成させました。明治初年に廃城となりましたが、1979年に復元されました。
たつの市は童謡「赤とんぼ」の作詩者[三木露風]の生誕地です。
うすくち龍野醤油資料館
所在地：兵庫県たつの市龍野町大手54-1
アクセス：JR姫路駅から姫新線で約25分、本竜野駅下車 徒歩20分
休業日：月曜日（月曜日が祝日の場合は開館となり、翌火曜日が休館）、年末年始
醤油の郷 大正ロマン館
この建物は大正13年に龍野醤油同業組合が建設した旧組合事務所であり、大正ロマンを感じさせる洋館です。龍野の醤油産業の発展の歴史を示す重要な歴史遺構であり、同敷地内の旧醸造工場（大正4年）とともに国の登録有形文化財に登録されています。
また、観光交流拠点として観光案内所、カフェ、授乳室等を備えています。
所在地：兵庫県たつの市龍野町上霞城126番地
アクセス：JR姫路駅から姫新線で約25分、本竜野駅出口から徒歩約16分
休業日：月曜日（祝日と重なった場合は翌日）、年末年始（12月29日～1月3日）、その他臨時休館あり
聚遠亭（しゅうえんてい）
ここからの眺望が素晴らしいことから、その昔「聚遠の門」と呼ばれ、いつの頃からかここを聚遠亭と名付けられました。
天気の良い日は遠く瀬戸内海の島々を見ることができます。
心字池上にある浮堂の茶室は、城主 脇坂安政の功績に対して、孝明天皇から拝領したと言い伝えられています。隣接しているのは、ヒガシマル醤油株式会社の寄贈により、裏千家鵬雲斎千宗室御家元の指導のもと完成し、楽庵と名付けられた茶室です。
聚遠亭 御涼所（おすずみしょ）
藩主脇坂家の御涼所で質素勤倹の風のなかにも雅味のある接客、居住部門などの間取りや、意匠と構造に特徴があり、また床下の抜け穴等にも当時の面影が残っています。
所在地：たつの市龍野町中霞城6
アクセス：JR姫路駅から姫新線で約25分、本竜野駅[出口]徒歩24分
休業日：毎月曜日（月曜祝日の場合は翌日）及び年末年始（12月29日から1月3日まで）
手延そうめん「揖保乃糸」
たつの市のある播州でそうめんづくりが本格的になったのは、江戸時代の安永頃（1771年〜1780年）とされ、当時は龍野藩の「許可業種」として奨励されていたようです。また伝統の「揖保乃糸」の産地化は、龍野藩が著名な産物の保護育成を始めた文化年間頃（1804年〜1818年）からと考えられています。
揖保乃糸について詳しく知りたい方は、資料館「そうめんの里」があります。そうめんの歴史や、播磨の地で生まれ育った手延そうめんの様々な情報があります。色々な角度からそうめんについて学べます。
所在地：兵庫県たつの市神岡町奥村56番地
アクセス：JR姫路駅・JR相生駅より車で30分、JR姫新線・東觜崎駅より徒歩15分
休業日：毎週月曜日（祝日の場合は翌日）・年末年始
